
大事な猫ちゃんを病原菌やウイルスから守るためのワクチン。
でも残念ながら、そのワクチン接種が害を及ぼすこともあります。
今回は、猫のワクチン接種後に気を付けたい一般的な副反応を簡単に紹介します。
(※あくまでも一般的に言われている副反応なので、詳しくは、専門書を読んだり獣医さんに相談するなどで判断してくださいね。)
ワクチンの副作用=「副反応」
タイトルには「副作用」とありますが、ワクチンの場合は「副反応」といいます。
ここでも、以降はワクチンによるありがたくない作用を「副反応」と呼んでいきます。
【要注意!】すぐ現れる副反応
ワクチンの副反応の中で、一番最初に気を付けたいのはアナフィラキシーショックです。
アナフィラキシーショックとは、簡単に言うと急激なアレルギーの反応が起きて、命が危険になること。
体がワクチンに過剰反応して、自分の体までダメージを負ってしまい、ひどい場合は意識を失くして命に関わります。
ワクチンをうってから数分~数時間以内に起こるので、異常が出たらすぐ診てもらえるように、動物病院で待機することも多いです。
注射後、獣医さんに「待っててください」と言われたら、その通りにしましょう。
⇒ 参考:『アナフィラキシーガイドライン』一般社団法人日本アレルギー学会
接種後1~12時間くらいで起きる副反応
ワクチンを注射して、少ししてから起きる副反応もあります。
- 注射した部分が赤くなる
- 下痢をする
- 吐く
- 熱が出る
- 何か元気がない
- 寝てばかりいる
- 食欲がなくなる
など、様々な不調が起きることもあります。
これらが、もっともよく聞く副反応ではないでしょうか。
「ワクチンをうった後、猫がつらそうで見ていられない」
という理由で、ワクチン接種をやめる飼い主さんは少なくないようです。
もし心配な症状があれば、早めに動物病院に電話で相談しましょう。
時間がたっても要注意な「しこり」
ワクチンを注射した場所のしこりは、時間がたって腫瘍化する可能性もあります。
腫瘍化したしこりは「注射部位肉腫」と呼ばれ、早いと数週間、遅いと10年ほどで発生すると言われています。
腫瘍は悪性で、内臓に転移することもある怖い病気です。
この注射部位肉腫は、はじめは「ワクチン関連肉腫」と呼ばれていました。
ですが、ワクチン以外の注射でも発生することが分かったため、注射部位肉腫という呼び名が使われるようになりました。
注射部位肉腫の治療は、外科手術や化学療法、放射線治療などで行います。
まとめ
猫の健康を守るためのワクチン接種が、逆に寿命を縮めてしまうという可能性。
その事実に、驚いた飼い主さんもいるかと思います。
ちまたには、猫のワクチンについての良い情報と悪い情報があふれています。
どちらも知った上で、猫ちゃんにとって最善の方法を選びたいですね。
最後に
動物病院は、お昼ごろから手術に入ってしまうところも多いです。
そのため、ワクチン接種は午前中の早い時間にしてもらうのがおすすめです。