猫には、猫特有の病気があります。
その一つが、猫の感染症(病原体によって起きる病気)です。
病原体の種類によって、起きる症状や治療法などは様々ですが、共通しているのは猫同士でうつる病気という点でしょう。
原因となる病原体は、大きく分けて
- ウイルス
- 細菌
- 寄生虫
などがあります。
その中にも細かい分類はありますが、ここでは代表的な猫の感染症の原因について紹介します。
猫が感染する代表的なウイルス
- 猫ヘルペスウイルス
- 猫カリシウイルス
- 猫パルボウイルス
- 猫白血病ウイルス
- 猫免疫不全ウイルス(FIV)
- 猫コロナウイルス など
この中で、猫コロナウイルス以外のウイルスには、予防接種のワクチンが存在します。
また、ウイルスとも細菌とも違う病原体として有名な「猫クラミジア」もありますが、こちらもワクチンでの予防が可能です。
猫が感染する代表的な細菌
- サルモネラ菌 など
仔猫は、感染すると嘔吐や下痢になることもありますが、成猫は無症状の場合も多いようです。
猫が感染する代表的な寄生虫
- トキソプラズマ
- フィラリア
- マダニ
- ノミ
- シラミ など
寄生虫には、皮膚など体の外に寄生するものと体内に寄生するものがあります。
ノミやマダニなど体の外に寄生する虫には、首筋に垂らすタイプの駆虫薬が有効です。
体内に寄生する虫の場合は、飲み薬や注射で予防・駆除をします。
仔猫は症状が重くなりやすい
病原体に感染すると、仔猫の方が成猫に比べ症状が重くなりやすく、命が危険にさらされる場合もあります。
生まれて間もない頃は、母猫のお乳を飲むことで免疫を受け取ることができますが、生後2~3ヶ月頃になるとそれがなくなります。
一般的に、最初のワクチン接種を勧められるのはその時期です。
人間にうつる病気もある
- バルトネラ菌(猫ひっかき病の原因菌)
- パスツレラ菌
- 皮膚糸状菌 など
猫は当たり前に持っている細菌でも、人間にうつった時に病気を引き起こすものもあります。
上記はその一部です。
猫に引っ掻かれたり咬まれたりした時や、排泄物に混じった細菌に触れた場合にもらってしまいます。
傷口がはれる、熱が出る程度で治る場合もありますが、重症化すると命に関わる可能性もあるので要注意です。
ウイルスは、基本的に違う種族間で感染することは少ないですが、まだ明らかになっていない部分も多いです。
病気がうつらないようにするには
大切なのは、ペット同士や飼い主さんに感染しないように気を付けることです。
具体的な対策としては、
- 新しく猫を飼う際は、病原体を持っていないか検査してもらう
- 必要に応じワクチン接種や治療をしてもらう
- 帰宅したらしっかり手を洗う
- 猫のトイレはこまめに掃除する
- 猫に(特に排泄物に)触れた後はきちんと手を洗う
- 猫を食卓や調理台に上げない
- 猫に自分の箸でご飯をあげたりキスしたりしない
などが挙げられます。
まとめ:猫の怖い感染症について
- 猫は様々なウイルスや細菌、寄生虫などに感染する可能性がある
- 人間にうつると重症化するものもあるので、衛生状態に気を付ける
- 必要に応じ動物病院で予防や治療をしてもらう
最後に
自分の猫は本当に可愛いですし、家族として接したい方もいると思います。
しかし、過剰な触れ合いは病気の原因になるので、そこは注意したいところですね。
また、ワクチンを使ったり衛生状態に気を配ったりしても、猫ちゃんを放し飼いにすると、他の猫と接触するので予防の効果がさほど望めません。
愛猫を感染症から守りたい場合は、完全室内飼いの方が向いているでしょう。