自分の愛猫に必要な予防接種は、どのように決まるのでしょうか?
そもそも、猫用のワクチンにはどんな種類のものがあるのでしょうか?
また、費用面も気になるところですね。
今回は、そんな疑問点を解消していきます。
ワクチンとは、簡単に言うと感染症を予防または感染した場合に症状を軽くしたり、他への感染力を弱めるために使う薬剤です。
猫用ワクチンの種類と費用の相場は?
猫のワクチンは、大きく分けて次の5種類があります。
(2020年8月現在)
- 1種ワクチン
- 3種混合ワクチン
- 4種混合ワクチン
- 5種混合ワクチン
- 7種混合ワクチン
1種ワクチン
1種類の感染症を予防するためのワクチンです。
現在(2020年8月時点)のところ
- 猫エイズウイルス感染症(FIV)
- 猫白血病ウイルス感染症(FeLV)
- 狂犬病
のワクチンがこれに該当します。
猫の狂犬病ワクチン接種は、日本ではあまりメジャーではないですが、国によっては予防接種が義務付けられている場合もあります。
費用:約3,000~6,000円
3種混合ワクチン
コアワクチン(全ての猫に接種すべきワクチン)と言われる、3種類のワクチンが混合されたワクチンです。
- 猫汎白血球減少症(猫パルボウイルス感染症)
- 猫ウイルス性鼻気管炎(「猫コリーザ」などとも呼ばれる)
- 猫カリシウイルス感染症(猫風邪)
の予防に効果があるワクチンです。
費用:約3,000~7,000円
4種混合ワクチン
3種混合に、猫白血病ウイルス感染症(FeLV)のワクチンが混合されたものです。
費用:約5,000~8,000円
5種混合ワクチン
4種混合に、猫クラミジア感染症のワクチンが混合されたものです。
費用:約5,000円~10,000円
7種混合ワクチン
5種混合に、猫カリシウイルス感染症のワクチンを2~3種類混合したものです。
猫カリシウイルスには複数の種類があるため、型の異なるウイルスに効果のある、複数のワクチンが必要だと言われています。
費用:約6,000~13,000円
必要なワクチンは飼育環境による

大事な猫ちゃんには、できるだけどんな病気も防いであげたくなりますよね。
しかし、ワクチンには副作用(副反応)が出る懸念もあるため、現在は必要最小限の接種が推奨されています。
例えば、完全室内飼いで全く他の猫と関わらない猫と、出入り自由でノラ猫と頻繁に遊んでいる猫では、感染症にかかる可能性が全然違います。
とは言え家から出ない猫でも、飼い主さんがウイルスを持ち帰ってしまう場合や、ペットホテルなどで感染してしまうおそれもあります。
目安としては、完全室内飼いの場合は3種混合ワクチンが、放し飼いの場合は4種や5種の混合ワクチンが選択されることが多いようです。
また、予防接種は「一生に一度やればいい」というものではなく、感染のしやすさによって1年に1回~3年に1回の頻度で注射することが推奨されています。
そのため、その猫ちゃんがウイルスに触れる可能性を考えて、獣医さんが必要な種類のワクチンや予防接種の頻度を提案してくれます。
このように、ワクチン接種は猫ちゃんごとのオーダーメイドで計画を立てるので、きちんと分かりやすく説明をしてくれる動物病院を選ぶことがおすすめです。
まとめ:猫のワクチンの種類一覧
ワクチンの種類 | 対象の病気 |
---|---|
1種ワクチン | 猫エイズウイルス感染症 猫白血病ウイルス感染症 狂犬病 |
3種混合ワクチン | 猫汎白血球減少症 猫ウイルス性鼻気管炎 猫カリシウイルス感染症 |
4種混合ワクチン | 3種に加え、 猫白血病ウイルス感染症 |
5種混合ワクチン | 4種に加え、 猫クラミジア感染症 |
7種混合ワクチン | 5種に加え、型違いの 猫カリシウイルス感染症 |
- 完全室内飼い:3種混合ワクチン
- 放し飼い:4種や5種の混合ワクチン
が選択される場合が多い。
さいごに
今回紹介したワクチン接種の費用は目安であり、動物病院によって差があります。
詳しくは、かかりつけの獣医さんに相談してくださいね。
取り扱っているワクチンも動物病院によって違うので、ホームページなどで調べておくといいでしょう。