引越し当日はたいへんお疲れさまでした!
しかし、無事に引越しが完了しても、実はまだ安心しきってはいられません。
デリケートな猫は新居になじむのに時間がかかることもありますし、その間にストレスで体調を崩す可能性もあるからです。
今回は、「愛猫とのお引越しシリーズ」の最終回で
引越し後に新居で気を付けること
についてお伝えします。
愛猫のペースに合わせる
当シリーズの初めで「猫は環境変化に弱い動物」だとお伝えしました。
完全室内飼いで育った猫ちゃんにとっては、家の中が世界の全てと言ってもいいくらいです。
ですから、家自体がまるっきり変わるお引越しは、かなりのストレスになると考えていた方が良いでしょう。
猫のペースに合わせて無理強いせず、変化に気付くため注意深く観察するのが基本です。
旧居とできるだけ似せる
ペットとの引越しに慣れている引越し屋さんなら、新居に家具を運び入れる際に、猫グッズを前のレイアウトと同じように置いてくれるでしょう。
(おそらくスタッフさんに「これはどこに置きますか?」と聞かれるので、指示が必要だったりもします。)
理想は、猫ちゃんが引っ越したのに気付かないことです。
間取りや部屋の広さの関係で完全には無理でも、猫のいるスペースだけは旧居を再現してあげたいものです。
そのため、猫トイレには前の家から持ってきた砂をしき、愛猫のニオイが付いたタオルやクッション、玩具を置いて安心させます。
猫を放す前に扉を閉めておく

新居で猫を放す前には、必ず部屋や玄関のドア、脱走防止用フェンス、窓をきちんと閉めます。
万が一、パニックを起こした猫が外へいきなり飛び出したら危ないです。
予想外の動きをしても脱走できないようにしておきましょう。
隠れ場所を作る
新居でキャリーケースを開けても猫が出てこない場合もあるでしょう。
ニオイや雰囲気で「家が違うことに気付いてしまった状態」なので、開けたまましばらく放っておきましょう。
猫は、慣れて探検する気になれば自然と出てきます。
いきなり広い部屋に放されると不安が増すので、狭く薄暗い場所を作ります。
キャリーケースを開けたまま置いといても良いですし、キャットタワーに小部屋が付いているタイプなら、それで十分かもしれませんね。
付かず離れずで様子を見る

猫の性格も様々ですから、新居に慣れるまでの時間には個体差があります。
そのため、程よく放置しながらも愛猫の様子を注意深く見守りましょう。
猫ちゃんが遊びたがっているようなら一緒に存分に遊んであげてください。
ですが、何となく元気がないからといって構い過ぎると、余計ストレスがかかります。
隠れているのは「誰とも関わりたくない」という気持ちがあるのかもしれません。
実際に、引越し後に人目を避ける猫は少なくないようです。
猫が落ち着くのを気長に待ちましょう。
ただし、食事や排泄の異常を察知するための観察は大事です。
- ご飯を食べる量が減った
- 全然鳴かなくなった
- やたらと鳴きすぎる
- 毛づくろいをしなくなった
- おしっこをしない
など、前と明らかに様子が違う場合には要注意です。
特に、嘔吐や血尿、血便、脱毛などの異常があれば、近くの動物病院に相談しましょう。
問題行動が出ても叱らない
今までちゃんとトイレで用を足していた猫が、引越し後にその辺でおしっこやうんちをする場合があります。
飼い主としては叱りたくなるかもしれませんが、そうした問題行動も猫なりの理由があります。
人間の論理が猫に通じない以上は、やみくもに叱っても猫のストレスを強くするだけなのです。
猫に働きかけるのではなく、環境を整えるのが基本です。
まとめ:引越し後に新居で気を付けること
- 付きすぎず離れすぎず
- 猫ではなく環境に対処する
- 異常は見逃さない
飼い主さんが、新しい家に慣れるのをサポートするという意識でいれば、猫ちゃんは自然に慣れていくので大丈夫です。